グヌンガン Gunungan / カヨン Kayon
山のようなもの、という意味をもつ。古代インド説話におけるメール山(仏教における須弥山)の象徴です。
ワヤン上演の中では、山、森、水、火、風、海、精神的な障害物などの象徴として、多大な働きをします。善と悪、幸福と困難がないまぜとなり、この世には「すべてがある」ことが、グヌンガンから受け取れるとダランは語ります。
徹夜で上演されるワヤンでは、グヌンガンは生命の流転に例えることができます。幕中央に立てられたグヌンガンをダランが引き抜くと物語がはじまり(誕生)、そしてさまざまな場面転換(生きる)を経て、明け方また幕の中央に戻る。それは死(終わり)であり、あらたな生命の誕生を告げるしるしでもあるとされます。