ワヤンのはじまり
・いろいろな人物(ドゥルユドノ王、師父ドゥルノ、奸計スンクニほか)がスクリーンに登場。
・アスティナ王国の王宮"
・パンダワ殺害の失敗を繰り返すドゥルユドノ王は、いずれパンダワにアスティナ王国の返還を求められることを心配している。
さらには、師父ドゥルノに対し、アスティナ王国のはからいで暮らしを立てているにも関わらず、パンダワ、特にパンダワ5王子の次男ブロトセノ(ビモ)に対し熱心に教えを説いていることを、責め立てる。"
・師父ドゥルノは答える。「私の行動はまったくクロウォ一族を裏切るものではありません。これはブロトセノに近づき油断させる策略であります。パンダワ勢力の中核である、ブロトセノさえ亡き者にすれば、パンダワ一族は滅んだも同然。」
・アスティナの王宮にブロトセノの登場
・ブロトセノはかつてより、師父ドゥルノに「完全なる生命」とは何かと問うていた。この日はドゥルノがその答えを与えんとブロトセノを呼び出していた。
・ドゥルノ「その答えを知りたければ、まず、テブロソロの森にある生命の水を見つけなさい。全人類が永遠に生きながらえることのできる水だ。しかしそこは、これまで生きて戻った者はいないという恐ろしいところだ。」"
・ブロトセノは、テブロソロの森に出発する。
・ドゥルユドノ王はこの策略で今度こそブロトセノを殺害することができると心躍らせ、師父ドゥルノを褒め称えた。
・ドゥルユドノ王は奸計スンクニに、兵を集めブロトセノを追うことを命令する。"
・ドゥルユドノ王は接見を終え、玉座に戻る
・奸計スンクニはクロウォ一族の王子や兵を、王宮広場に集める。
・奸計スンクニは王の命令通りに指示を出した。「ブロトセノを追え、もしも生きて森から出るようなことがあれば、すぐに殺せ。」
・一軍の隊長アスウォトモ(ドゥルノの子)が出発の合図である、ブンデ(小型クンプル)やトランペットを鳴らせと命ずる。
・アスウォトモは、出発の準備が万全であることを、奸計スンクニに報告する。
・クロウォいよいよ出発。
・ブロトセノが森に着く。森は異様な木々が立ち並び、太陽の光がまったく届かぬ暗黒の世界で、時々獣の吼えるような声が響く。
・ブロトセノ森に入る。大木を引き抜き、巨大な岩を投げ飛ばしながら、「生命の水」を求めて森の奥深くへと進んでいく。
・テブロソロの森深く、シグランゴという洞窟がある。洞窟の中には、二匹の鬼(ルッムコとルッモコロ)がいる。森では長い間雨が降らず、生き物もすべて食い尽くし、鬼は飢餓状態にある。
・強い風が吹く。
・ブロトセノが洞窟にやってくる。
・鬼とブロトセノのたたかい。鬼は一匹が斃れても、もう一匹が死体の上を飛び越えると息を吹き返すという超能力によって、なかなか決着がつかない。
・ブロトセノは両手に二匹の頭をつかみ、同時に斃す。
・二匹の鬼は、本来の姿である風の神バユと天空の神インドロに姿を変える。
・風神バユと天空の神インドロはブロトセノに告げる。「ここに探している「生命の水」はない、しかし決して己の師を責めぬよう、再び戻り正しいありかを聞くがよい。」そして、呪いを解き姿を戻したお礼として、水の中でも息ができるという不思議な指輪(ススペ・ススティョ・マニ・イン・チャンドロモ)をブロトセノに与えた。
・ブロトセノ指輪を受け取る。神々は天界へ昇る。
・ブロトセノは王宮に戻り、再び師父ドゥルノに会う。"
・ドゥルノ「今回のことはただお前の意思の強さを試すためのものであった。本当は「生命の水」は海の底にある。海、どこの海であるかはお前自身の心に聞くがよい。」
・ブロトセノ海へ向かって出発する。
・ドゥルノ「どのような困難が待ち受けていようとも、お前ならば必ずやり遂げることができるであろう。」"
・ゴロゴロ
・プノカワン(道化)が登場、踊り歌う。兄の不在を嘆くアルジュノ(ブロトセノの弟、パンダワ3男)を励ます。"
・アルジュノは兄ブロトセノが、敵国に属する師ドゥルノに対して、過信をし警戒心に欠けていると考える。
ゴロゴロの内容
(時事ネタ、コラボレーション等)
・プノカワンとアルジュノが向き合う。ゴロゴロの終り。
・スマル(プノカワンの長老)がアルジュノを説得する。「憂うことはない、ブロトセノがあらゆる危険を回避できるよう祈り、今は自国へ戻ろう。」
・アルジュノ一行が国へ戻る途中、ある森を通る。
・森の中、異様な空気。
・アルジュノ一行が鬼に出くわす。この鬼はクロウォ一族を指示する一派。
・アルジュノと鬼のたたかい。
・鬼は打ち負かされ、アルジュノは引き続き国へ戻る。"
・インドロプラスト王国(パンダワ5王子の国)。
・プントデウォ王(長男)はじめ兄弟たち、そして母クンティは、自分たちの師でもありかつ敵国の人物でもあるドゥルノの言いなりとなり、なかなか戻らないブロトセノの身を案じている。
・ブロトセノが国に戻る。
・師ドゥルノの言葉通り、海の底へ「生命の水」を探しにいくことを告げ、母クンティにいとまごいをする。
・母とパンダワ兄弟は涙を流しながら、ブロトセノに出発を思いとどまらせようとする。
・クンティ「ドゥルノは、戦いを教える師であり、お前が思っているような人物ではない。ましてや今は敵国にいる。お前を罠にはめようとしているだけです。」
・ブロトセノ「泣いて私の邪魔をするな。ここに戻るか、そうでないかは運命次第です。」"
・ブロトセノ、海に入る。
・大蛇が出てくる、たたかう。
・大蛇斃れる。ブロトセノは気を失い、海の底へ沈んでいく。"
・ブロトセノの意識は戻るが、この世と思えない静かな世界にいる。ブロトセノは海の底で内なる神デウォ・ルチに会う。
・ブロトセノ、デウォ・ルチに拝跪する。
・ブロトセノは「生命の水」などどこにもないこと、そして「完全なる生命」についての教えを得る。
・ブロトセノは満足し、もはや無益な災難ばかりの世界には戻りたくない。デウォ・ルチ「人間は災難を受け続け、平凡な幸福を求めねばならない。戻りなさい、ドゥルノがパンダワに責め立てられ、海に飛び込み自殺しようとしている。」"
・ブロトセノ、海の底から海上へ。ドゥルノが海に飛び込むところを、抱きかかえ助ける。
・クロウォの追っ手がやってくる。
・ブロトセノとアスウォトモ(ドゥルノの子)のたたかい
・ブロトセノとドゥルソソノのたたかい
・ブロトセノの超能力でクロウォ一群が吹き飛ばされる。
・ブロトセノの舞、タユンガン。
・パンダワ一族が、ブロトセノの帰還を迎える。 完
・終演の曲