ジャワ舞踊 Tari Jawa
ジャワ語でブクソと呼ばれる古典的な舞踊は、主に宮廷芸術家によって創作され代々の国王に捧げられたが、王自身による作品もいくつか見られる。ガムランの伴奏とともに王宮の舞踊家や王族によって演じられていた。
踊りには、善と悪や人間の心の中の尽きない葛藤や戦い、恋を描写するものや、民間で発祥した豊作を祈る舞、またラーマヤナやマハバラタ、東ジャワ発祥のパンジー物語などを演じる舞踊劇もある。今日では王宮での儀式や娯楽にとどまらず、民間の結婚式などの通過儀礼やお祭りの際に踊られる。ワヤンが一晩で語られるように、王宮での舞踊もまた100分をゆうに超え踊り続けられるものもある。現在よく見られる舞踊は、公演のために凝縮されたバージョンや、新しく創作されたものが主となっている。
(文:岡戸香里)