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ガムラン&ワヤンHANA★JOSSのイベント情報です。
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日記:古民家と、錦影絵と、手回し活動写真と。
2月19日(土)
ハナ子とジョス郎は幼児二人をつれて、
富田林の寺内町(じないちょう)へ遊びにでかけました。

錦影絵という、江戸時代から現代に続く、南蛮渡来の幻燈見せ物
が見られるという催しがあったのです。

寺内町は、古い町屋が多く残る町で、
錦影絵の会場は、
その中でも現存する建物としてはもっとも古い、
旧杉山家住宅。

早めに着いたので、寺内町を散歩。町並みや地形を楽しむ。
なだらかな、小さい坂があちこちにあり、
車二台がぎりぎり通れるかなという一本道の、左右は(左はたぶん川もある・・・?)
土地がぐっと下がっていてまるで道だけが浮いたようになってたり、
その道の、斜め先の方には、もひとつ高い土地が広がっていたりと、
古い家並みがステキなだけでなく、立体的な地形が歩いていてとても楽しかった。

旧杉山家住宅はなだらかな坂を登りきったところにありました。

催し前には、
もうひとつのミッションでありました、
東京から来られているという、まだお会いしたことのないSさんを探すことに成功し、お声をかけさせてもらいました。
Sさんは東京で錦影絵の活動をされている方です。
一緒にお越しのS(これまた)さんは、共通のお知り合い(ボイスパフォーマーのWさん)がいて、
開場前にも楽しい時間をすごせました。
芝居やライブを見に行き、こういう出会いがありますと、
何倍も何倍も有意義な気持ちがします。
これこそおでかけする楽しみであります。
Sさん探しの際に与えられていたキーワード「白髪紳士」は、
ミッションをむずかしくも、また面白くもし、
結果ハナ子は複数の白髪紳士とお知りあいになりました。
(茨木市の隣の隣の豊中市で影絵芝居をしている人も美しい白髪でした。)
その日は数えましたところ7人の白髪紳士がおり、
Sさんではなかろかと、一人ひとりをじーっと見ましたので、
白髪も、十人十色であることがよくわかりました。

さて、催しの内容はというと、
A江戸時代のアソビの心、娯楽と教養 についての講義(19日だけ)
B手回し活動写真 
C錦影絵
の3部構成。

Bの講師の方は、数年前に、
神戸芸術工科大学の講義「メディアの源流を遡る」シリーズで、
幻燈の講義をされていた先生でした。(ハナジョスはジャワの影絵で出演、あと紙芝居もあった)
これもまた、おでかけしてよかったと思える出会いでした。

手回し活動写真もとても面白かった。
お昼間の写真を、ガラスを二枚つかって(だったかな、そこに彩色をして)夜景に変えるという技術で、
日本各地で人気のあった写真やさんのこと。
Aにありました、娯楽と教養が分かれていなかった時代
から明治に入り、教育という新しい言葉が生まれて、
戦争もあり、娯楽と教養が分かれる時代に突入、その時に国民を教育するために、
こういった写真が幻燈師さんによって日本中に伝えられていった、というようなことでした。

手でフィルムをまわすことでイラストや写真を動かす活動写真は、
わずか数秒の物語が永遠と繰り返される。
ワインボトルを傾け口に含む英国紳士の作品だと、
紳士は、一口呑むや、また呑みたなった、あ、また呑みたなった
という具合に何度も何度もボトルを傾けるのです、
これは、毎度毎度見る側に違った感情が生まれるので、(この人あんまりのみすぎておられるのじゃない)
と思うし、速度の変化で、一口で含むワインの量も違うので、一気飲みしそうでひやひやしたりと、
繰り返しの中で生まれる、見る側の感覚が、面白いなと感じました。

Cの錦影絵は
和紙をはりあわせた大きなスクリーンで、裏は見れないようになっています。
背景や人物がうまく合わさって、突然消えたり、人物がかたことかたことと走ったり、
語り部の口調もなんともいえず、いい調子の懐かしみのある関西弁で、
風呂と呼ばれる幻灯機のかたかた、ことことという音が芝居の中で効いてて、
まるでさんかくのタイヤで走る自転車に自慢げに乗っている子どものような、
なんともいえない小気味よさがありました。
物語の展開も、影絵のうごきも語りもとてものんびりとしていて、
使っている音も最小限でかつ効果的でした。

会場が基本ずっと暗くて、とろんとしてくるのも気持ちよかったし、
大盛況だったため、人がひしめいて、正座からあぐらに座りなおすのも人にぶつかるぐらいで、
そのきゅうくつな感じも、今思い出すと、それも逆によかったような気がします。
うしろのご婦人に、ごんちゃんが「ばあばがいる!」と叫んでしまったり、
足をぶらぶらして人をけってしまったり、ばあばにチョコをもらったり、
隣の白髪紳士が話しかけてきたりと、
なんか、人との距離がすごく近くて、
見ている影絵ものんびりしていて、ちょこっと眠くなって目を閉じてまたあけても
話についていけるぐらいの、ジャワの影絵芝居のような時間の流れがあり、
そういうまったりとした感じがとても
「ええわ~。」と思いました。
by hanajoss | 2011-02-21 10:50 | 日記Rofit,Hiromi
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